さらば、高ギャラCMタレント、アニメCM人気の秘密
もう高いギャラの女優や俳優は起用できない。そんな昨今のCM制作事情を示唆する動きが加速化している。
博報堂はアニメーションの企画・制作ノウハウを生かしたクリエーティブ・プランニングをおこなう会社「スティーブン・スティーブン」をこのほど設立した。資本金は3000万円で、出資比率は博報堂51%、博報堂DYメディアパートナーズ32%、神山健治氏10%、ほか7%で、当初は6人で運営していく。
神山氏はアニメ「攻殻機動隊SAC」や「東のエデン」などを手がけてきた監督。同氏と博報堂の古田彰一クリエーティブディレクターが共同・最高経営責任者(CEO)に就いた。商品開発からキャンペーンディレクションまでを視野に入れ、アニメ本体やアニメのCMなどの受注を目指すという。
こうした動きは09年頃の日産自動車のCMあたりから顕著になってきた。それまで日産はポール・ニューマンらハリウッド俳優をよく起用していたが、方向転換。コンパクトカーの新型「ノート」のCMでは、人気アニメ「THE WORLD OF GOLDEN EGGS」を起用。このCM好感度を見ると、20~30代の男女の支持が比較的高く、CM好感度ランキングでも、このCMは2位に輝いた。年齢層別にみると幅広い層に支持されているのがわかる。「ノート」はほかにアニメ「アルプスの少女 ハイジ」のリメイクも起用された。
大震災の影響が比較的少ない2011年3月期決算では、減収増益とういう企業が目立つが、これは広告宣伝費を大幅に削減した結果とみてよかろう。「タレントひとりに4~5000万円のギャラを払ってCMに引っ張りだす時代ではなくなった。松嶋菜々子や山口智子らのように収入をCMに依存し女優活動をしないというビジネスモデルが目立ち、その結果女優の活力が全般的に衰退してしまった。いま女優にドラマの主役があまりこないのはそのせいです.。だからCMに女優はいらないということになってきた。今後はアニメに頼ろうという動きが出てきている。アニメCMなら安くて1000万円程度で作れますからね」(広告関係者)
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•••お悔み•••
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