Dr.ウルの「健康長寿になるための10か条」
100歳以上の長寿者・センテナリアンになるには
日本人の平均寿命は女性87.14歳、男性80.98歳(2016年)。
また、2017年9月には、日本の100歳以上の人口が、過去最高の6万7824人となったということです。(いずれも厚生労働省発表)
今後も100歳以上の高齢者は増え続け、国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2050年には約53万2000人になる予想。人口が減少している中、日本は超高齢化社会へと突入しており、政府も「人生100年時代構想会議」を立ち上げて盛んに議論しています。
20〜30年後、この長寿者の仲間入りをする方もいらっしゃると思います。しかしながら、「長寿とはいっても、寝たきりや痴呆などが心配」と仰る方も多いことでしょう。
加えて、介護業界も既に人手不足の状況などをふまえると、できれば健康的な長寿者・センテナリアン(Centenarian)になることを目指したいものです。
私個人としましては、100歳を超えるまで生涯現役で医業に携わられた日野原先生のように、社会に貢献し続け、健康的に寿命をまっとうするのが理想です。
長寿者の増加は、日本だけではなく、世界的なものです。いつの世も、健康を維持するための研究がなされてきましたが、平均寿命が長くなればなるほど、関心は高くなり、今や美容なども含めて一大健康産業ブームとなっています。
長寿者を対象とした研究も盛んで、書籍やメディアなどで長寿の秘訣についての情報をよく目にします。今回は、二つの国の例をご紹介しましょう。
<Centenarian(100歳以上の長寿者)の秘訣>コーカサス地方(グルジア共和国)
① 朝から晩までよく働くこと
② ウサギ、シカなどの狩猟のため野山を駆け巡ること
③ 友人、知人を家に招いたり招かれたりして、食事をすること
④ 結婚式に出席して、大いに飲み、踊ること
⑤ センテナリアンでつくっている合唱団で歌うこと
①②:筋肉を使った労働や運動
③④:人との絆
⑤:横隔膜を動かして大きい声を出す
<Centenarianになるには>英国専門誌「New Scientist」より
1.「毒」もほどほどに使う
2.精神状態の安定
3.暖かい生活環境(百歳以上は先進国で
十万人に10人、沖縄33.6人)
4.適度の睡眠、ワイン、チョコレートの摂取
5.脳の刺激を忘れない
(料理する、計算する、新聞を見る)
6.治療より予防を心がける
7.食物こそ、健康・長寿には一番大切と認識する
8.楽しいことをするように心がける
9.新しい情報・技術に親しむ
10.生活の中に常に「笑い」を
この二か国のセンテナリアンの秘訣や、日本でのデータなどを参考に、私もここ20年、実践を心がけていることがあります。次に載せてある「Dr.ウルの健康長寿になるための10か条」です。特別ではないことばかりですが、多忙なストレス社会の現代においては、ついつい忘れがちになってしまうこともあります。部屋の目につくところに貼って、できる時にできることを無理なく実践するという楽な気持ちで始め、今ではほぼ習慣化しています。
この内容は、週刊朝日2018年1月26日号に、「100歳の壁を突破する健康法」として紹介されました。
Dr.ウルの「健康長寿になるための10か条」
① 規則正しくリズミカルな生活習慣を
(睡眠時間を厳守)
② 毎日お茶(主に緑茶)を飲み、バランスの
取れた食事(*マゴタチワヤサシイカ)を
規則正しく、良く噛んで、おいしく食べる
③ 毒もほどほどに使う(アルコール、
チョコレート、菓子、薬、その他)
④ 毎日良く笑い、歌い(謡、コーラス、
カラオケ等)、話し、歩き、瞑想の時間を作る
⑤ 毎日ゆっくり風呂(水素)に浸かりながら
全身を手で優しく触れる
⑥ 五感(眼、鼻、耳、舌、肌)を使って、心地よいものに毎日触れる
(風景、絵画、花、アロマ、音楽、飲食、そよ風、入浴)
⑦ 息抜きの時間を毎日(毎週、毎月、毎年)の一部分に作る
⑧ 自分のからだに話しかけるように、毎日一つ、自分をホメる
⑨ 毎日よかった(楽しい、嬉しい)ことを探して、神に感謝する
⑩ 小さなことにクヨクヨせず、今に集中!過去・未来は考えない
◎Dr.ウルのモットー 得意淡然・失意泰然
(物事がうまくいく時は、おごらず、謙虚な態度で当たる。逆にうまくいかない時は、あせらず、落ち着いて、時節の到来を待つ。)
*マゴタチワヤサシイカ(孫たちは優しいか)
Dr.ウルの「健康長寿の究極レシピ」
マ マメ(豆類、豆腐、納豆) ⇒ 蛋白質、食物繊維、鉄分
ゴ ゴマ(ゴマ、ナッツ類) ⇒ 抗酸化物質
タ タマゴ(卵) ⇒ 蛋白質、ビタミンB群
チ チーズ(乳製品、ヨーグルト)⇒ 蛋白質、カルシウム
ワ ワカメ(海藻類) ⇒ ミネラル、食物繊維
ヤ ヤサイ(野菜) ⇒ ビタミン、ミネラル、食物繊維
サ サカナ(魚) ⇒ 蛋白質、ビタミン、ミネラル、不飽和脂肪酸
シ シイタケ(キノコ類) ⇒ 免疫賦活作用、コレステロール低下作用
イ イモ(イモ類) ⇒ 食物繊維、腸内環境整腸作用
カ 果実(柑橘系、リンゴ) ⇒ ビタミン、ミネラル、食物繊維
食事に関してご参考いただく場合は、アレルギーなどもありますので、個人の体質に合わせて調整していただければと思います。
漆畑 修(Dr.ウル)
宇野皮膚科医院 院長。医学博士。東邦大学客員教授。皮膚科専門医、温泉療法医、サプリメントアドバイザー。The Best Doctors in Japan (2010―2019)。専門は皮膚科学、特にヘルペス感染症、アレルギー性皮膚疾患、美容皮膚科学、臨床免疫学、臨床栄養学。
〉関連情報
「美しくなる入浴術 〜お風呂と温泉で心・からだ・素肌をきれいにする〜」
漆畑 修(著) メディカルレビュー社刊(2013年12月)
・Dr.ウルのスキンケア講座 _ 003「お風呂で全身エステ ~春のおふろ~ 」
・Dr.ウルのスキンケア講座 _ 004「お風呂で全身エステ ~夏のおふろ~ 」
・Dr.ウルのスキンケア講座 _ 005「お風呂で全身エステ ~秋のおふろ~ 」