キムタク、秋ドラ「南極物語」主演で問われる役者生命
木村拓哉がTBSの10月ドラマ「南極物語」に主演する。
演じるのは1956年、世界で初めて1年間の南極滞在に挑んだ越冬隊の副隊長役で地質学研究者。そりをひく樺太犬の世話係も兼ねている。
越冬隊は氷点下50度、風速100メートルのブリザードが吹き荒れる「接近不可能(インアクセシブル)」といわれた場所に昭和基地を建設した。樺太犬の犠牲を出しながら越冬にも成功する。だが樺太犬15頭を南極に置き去りにせざるを得なくなる事態が発生。1年後、南極に戻った副隊長が、奇跡的に生き残っていた兄弟犬タロ・ジロと再会するまでが描かれる。
原作は「南極越冬隊タロ・ジロの真実」(北村泰一著・小学館刊)で、TBS開局60周年を記念し初のドラマ化となる。放送枠は「日曜夜9時」。プロデューサーは「ROOKIES」や「JIN」など次々とヒット作を送り出した石丸彰彦氏。09年放送の脳科学者を主人公にした『MR. BRAIN』以来の再タッグだ。北海道・根室でクランクインする予定で現地にはほぼ原寸大の昭和基地のセットを建設。ワンクールのドラマとしては異例の半年以上をかけて収録される予定で制作費も10億円は下らない大作となろう。
ちなみに「南極物語」は高倉健が83年に主演した映画で話題になった。フジ、学研、蔵原プロの共同製作で配給は東宝とヘラルド、配給収入は59億円(興行収入は120億円弱)と大ヒットした。
TBSといえばキムタクの最新映画「SPACE BATTLESHIP ヤマト」の製作幹事社だったが興行成績がイマイチなのが実情。製作費が20億円もかかり、興行収入は高く見積もっても50億円程度。配給会社に入るのは25億円で宣伝費も10億円かかっているためDVD販売収入などでなんとか黒字が見込めるという状況である。そのため今回の主演は、映画の落ち込みを埋める狙いもあり、「難局物語」とからかうむきも少なくない。そのためキムタクにとって大きな賭けともいえる。
ちなみに今回はロケなどでかなり時間がかかり、「SMAP X SMAP」(フジ系)の収録に支障が出ることが心配されている。「華麗なる一族」のときもビデオ多用で「スマスマ」の視聴率が10%を切る直前まで落ちた。そこで囁かれているのが「スマスマ」の9月末打ち切り説である。最近はやや数字を戻してきており14~5%で推移しているが内容もマンネリ気味。打ち切って期首改編のSPで残すという案が検討されている。
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