正しいお風呂の入り方
皮膚科専門医、温泉療法医であるDr.ウルによる、肌に負担をかけず、汚れをきれいに落としてお風呂の効果を最大限に活かすためのお風呂の入り方をご紹介します。
入浴時間や湯温設定などは、個人の生活サイクルや目的(寝つきを良くしたい等)に合わせて変化しますが、次の「禁止事項」だけは極力守ってください。
〉食事の直前・直後 ⇒ 消化不良をおこしやすい。
〉激しい運動の直後 ⇒ 筋肉に溜まっている疲労物質が残りやすくなる。
〉お酒を飲み過ぎた時 ⇒ 脱水から脳卒中などの危険。転倒時の大出血。
〉体調がすぐれない時(気分が悪いなど)
*ただし、軽い風邪程度なら大丈夫。浴室と室内の温度差をできるだけなくし、
ゆっくりと温まることで風邪による筋肉の緊張がほぐれてぐっすり眠れます。
〉冬場の外出直前 ⇒ 湯冷めしやすい。
お風呂の適温
正しいお風呂の入り方において、湯船のお湯の温度は重要なポイントです。
基本は、39~41℃ が適温といわれています。
ですが、ちょうどよく感じる温度には個人差があり、季節や室温によっても違ってきます。例えば、汗かき体質の人は、38℃前後にしてみたり、場合によって変えてみます。特に乾燥肌の人は、熱いお湯に入らないことは鉄則です。
また、42℃以上の熱すぎるお風呂は避けましょう。
*42℃以上のお風呂は、温熱入浴方法の時だけ。知識と注意が必要です。
お湯に浸かる時間
5~10分が目安です。お湯が熱いと感じると、5分も浸かっていられませんので、「ぬるすぎるかな?」と感じる程度の湯温からスタートするのがコツ。5分以上浸かることで、身体の深部まで温まることができます。
防水のタイマーなどで、まずは5分間に設定して、じんわりと汗ばむ感じを体験してみてください。
入浴前の準備
◎ 脱水予防のため、コップ1~2杯の水を飲みましょう。(脳梗塞などの誘因予防にもなります)
◎ お風呂上りにすぐ保湿できるよう、保湿剤を出しておきましょう。
入浴後に何もスキンケアをしなかった場合、皮膚は5分後から乾燥し始め、20~30分後には、入浴前よりもカサカサになります。顔はもちろん、全身に保湿することで、皮膚のバリアを維持することができます。
◎ ビタミンC入りの入浴剤を使用することで、お湯の残留塩素を低減することができます。(残留塩素は、からだを温まりにくくする作用があります)
◎ 乾燥肌の人は、保湿効果の高い入浴剤の使用をおすすめします。